どうも、悩める診断士のTKです。
本日はこんな悩みにお答えします。

経営学検定(マネジメント検定)の資格に興味があるんだけど…
- 経営学検定の資格取得って難しいの?
- ネット試験になったらしいけど、難易度はかわったの?
- 中小企業診断士との関連性は?
同じような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
マネジメントに関する知識や能力が一定水準に達していることを測る経営学検定。
中小企業診断士の試験科目である企業経営理論と出題範囲が類似することから、中小企業診断士には知られた資格です。
- 本記事の内容
- 経営学検定(マネジメント検定)とは?
- ネット試験(CBT試験)に関する補足
- 中小企業診断士との関連度、難易度・勉強時間、勉強方法・テキスト
- 本記事の信頼性
- 筆者が中小企業診断士(中小企業診断士登録証の画像はこの記事に掲載)
注意
はじめにお伝えしておくと、筆者は経営学検定の資格を持っていません。
関連資格を紹介するうえで触れた方がいいかと思い、独自に調べた内容を記事にしていることは予めご留意ください。
先に結論を書いておくと、経営学検定は中小企業診断士試験と関連性が高いです。
また、現在はネット試験化により、以前よりも取得しやすくなったので、中小企業診断士の勉強を始めようという方にもオススメです。
こんな方にオススメ
- 中小企業診断士の資格取得を考えている
- 企業経営理論の対策をしておきたい
- 中小企業診断士の関連資格として「経営理論」の資格取得を考えてる
このような方は、最後までじっくりと読んでみてください。
それでは、早速はじめていきます。
目次
経営学検定(マネジメント検定)とは?
まずは経営学検定の概要から見ていきます。
経営学検定はマネジメント検定とも言われますが、ここでは経営学検定と呼ぶことにします。
経営学検定試験は、経営に関する基礎的・専門的知識やその応用能力としての経営管理能力や問題解決能力が一定水準に達していることを全国レベルで資格認定する検定試験です。
試験の目的としては、経営に関する一定水準の学習目的とインセンティブを提供すること。
受験者は、経営学を学んでいる学生や、企業・官公庁・NPOなど各種の組織で活動している実務家を想定しています。
スタートから現在まで多くの大学や企業で利用され、多数の学生やビジネスパーソンが受験している検定になります。
なお、経営学検定は初級・中級・上級の全3級で構成されており、レベルに合わせた級を受験できます。
各級で想定しているターゲットとレベルはこちらになります。
ちなみに上級は1次試験と2次試験に分かれています。

図表 経営学検定の各級におけるターゲットとレベル
また、マネジメント知識の習得や管理職の昇格テスト、また経営幹部の育成に使う企業もあるようです。
なお、試験時間や合格基準、試験日時などの詳細が気になる方は、公式ページをご参照ください。

個人的には「経営学検定」よりも「マネジメント検定」のが響きがいい気がするけど…
2015年からそう呼ぶようになったこともあり、経営学検定の方が馴染みがあるんですよ

ネット試験(CBT試験)」に関する補足
ここでは、ネット試験に関する補足していきます。
ネット試験とは、名前のとおりインターネットを介して行う試験です。
経営学検定ではCBT試験を採用してますね。
補足
CBTは「Computer Based Testing」の略で、各地にある試験会場(テストセンター)のパソコンを使用して、受験する方式です。
経営学検定の場合は公式サイトのよくある質問に書いてありますが、項目ごとに数種類の問題の中から出題されます。
この部分は明記されていないものの、受験者ごとにランダムに出題されると思って間違いないでしょう。
なお、「全く同じ問題が出題されることはありません」とは明記されています。
難易度にバラつきが出ないように調整しているはずですが、ランダムであれば問題により得意・不得意は生じてしまうので、この点はデメリットと言えますね。

僕はここぞの場面で運悪いからな…苦手な問題に当たりそう…
メリット・デメリット
デメリットという言葉が出てきたので、ここで経営学検定におけるネット試験のメリットとデメリットを簡単に紹介しておきます。
≪メリット≫
- 会場が多く、最寄りの会場を自分で選べる
- 試験期間中であれば受けたいときに試験を受けられる(ただし、予約は試験希望日の4日前まで)
- 試験期間中は空いている日時・会場への変更が可能
- 不合格でも所定期間中は何回でも受験が可能なので、短期間での合格が狙える
- 合否が即時にわかるので、自己採点や合否待ちのモヤモヤがない(上級は後日発表)

上級は1次試験だけがCBTに対応しているんだね
上級2次試験はレポートやグループワークがあるので、CBTでは対応が難しいのです

≪デメリット≫
- 試験問題がランダムに変わるので、自分の苦手な範囲に遭遇することがある
- 操作はいたってシンプルだが、パソコン操作が極端に苦手な人にはストレスかも…
きちんと勉強する方や日常でパソコンを使う方であればデメリットとは言えませんね。
ネット試験はメリットの方が大きいと感じた人の方が多いのではないでしょうか?
初級と中級は企業経営理論の基礎学習には有効であり、取得難易度も高くありません。
そのため、中小企業診断士試験の前にチャレンジしてみるのもアリだと思います。
初級→中級→企業経営理論へとステップアップしていくイメージですね

難易度は変わった?
ネット試験化になったことで、難易度に変更はあったのでしょうか?
結論としては、ネット試験化による難易度に変更はありません。
初級と中級に関して言えば、会場で行うマークシート試験を、インターネット上でできるようになったと考えていただければ、イメージしやすいかと…。
むしろマークシート自体を塗りつぶす作業や見直し用の印をつける手間が減るため、回答にかかる手間も減っていると思います。

上級も変わらないのかな?
上級も難易度は変わりませんが、マークシートではなく記述式である点に注意してください

中小企業診断士との関連度、難易度・勉強時間、勉強方法・テキスト
ここからは、経営学検定の各級と中小企業診断士試験との関連度などを見ていきます。
先に言ってしまうと、初級・中級に関して、経営学検定の内容は中小企業診断士試験の「企業経営理論」に類似しています。
出題範囲を見るとわかりますが、企業経営理論の「経営戦略」、「組織論」、「マーケティング」に共通する箇所が多いことがわかります。
また、中級に関しては一部ですが「財務会計」「経営情報システム」「経営法務」の内容も含みます。

中級まで取得すれば、企業経営理論とかに有利ってことだね
有利ではありますが、企業経営理論はひねった問題も多く、難易度は高めなので油断は禁物ですよ

初級
さて、まずは初級から見ていきましょう。
初級は、受験資格がないので誰でも受けることができます。
なお、初級では経営学に関する初歩的・基礎的知識を習得しているかどうかを判定します。
そのため、短期大学卒業生や4年制大学の2~3年生レベルで習得しておくべき経営学の基礎知識が求められます
関連度
- 関連度:★★★☆☆
細かい説明は割愛しますが、経営学検定初級の関連度は5段階中3です。
出題範囲で類似する部分はあるものの、基礎的なものが多く、企業経営理論の内容と比較した際に不足する部分が多いです。
ただ、基礎固めとしては勉強する価値はあると思います。
そのため、中小企業診断士試験の前に時間を費やせるならば、受験する価値はあると言えるでしょう。
難易度・勉強時間
ここでは難易度を合格率から見ていきましょう。
経営学検定初級の合格率は、おおよそ45~50%で推移しています。
内容も基本的なものが多いことから、きちんと勉強すれば取得難易度は易しめと言えるでしょう。
次に勉強時間を見ていきます。
あまり情報がありませんが、目安は「20~30時間」です。
しっかり勉強したい方は、「30時間」をひとつの目安と考えていいかと思います。
勉強方法・テキスト
勉強方法ですが、これはいたってシンプルです。
下記のテキストを2~3周まわせば大丈夫です。
・経営学検定試験公式テキスト1 経営学の基本
・経営学検定 過去問題・解答解説 初級編
(→これに関しては、直近の年度のものは㈳日本経営協会でしか入手できないはずです。)
こちらをオススメする理由はいたってシンプルです。
なぜなら、これらが公式テキストであり、これら以外のテキストがないからです。

初級は難易度が低いようだし、僕でもがんばれば合格できるかな?
持っていない身で言うのもなんですが、絶対に合格できますよ!

中級
つぎに中級を見ていきます。
初級同様、中級も受験資格がないので誰でも受けることができます。
なお、中級では経営に関する専門的知識や経営課題を解決するための分析能力を習得しているかどうかを判定します。
そのため、ビジネスパーソンが通常身につけておくべき経営学に関する専門的知識や問題解決能力が求められます。
関連度
- 関連度:★★★★☆
細かい説明は割愛しますが、経営学検定中級の関連度は5段階中4です。
出題範囲がかなり類似しており、広範囲を学ぶため、企業経営理論の内容と関連性が高くなっています。
企業経営理論の難易度を考えるとやや不安ですが、基礎固めとしては勉強する価値は十分にあります。
初級同様、中小企業診断士試験の前に時間を費やせるならば、受験する価値はあると言えるでしょう。
難易度・勉強時間
ここでは難易度を合格率から見ていきましょう。
経営学検定中級の合格率は、おおよそ40~45%で推移しています。
幅広い内容を学ぶものの基本的なものが多いことから、きちんと勉強すれば取得難易度はやや易しめ~普通と言えるでしょう。
次に勉強時間を見ていきます。
こちらもあまり情報がありませんが、目安は「80~100時間」です。
しっかり勉強したい方は、「100時間」をひとつの目安としましょう。
勉強方法・テキスト
勉強方法ですが、初級と同様でいたってシンプルです。
下記のテキストを2~3周まわせば大丈夫です。
・経営学検定試験公式テキスト 2 マネジメント
・経営学検定試験公式テキスト 3 人的資源管理/経営法務
・経営学検定試験公式テキスト 4 マーケティング/IT経営
・経営学検定試験公式テキスト 5 経営財務
・経営学検定 中級過去問題・解答解説
(→これに関しても、㈳日本経営協会でしか入手できないと思います。)
こちらをオススメする理由は初級で説明したとおりです。
これらが公式テキストであり、これら以外のテキストがないからです。

中級も難易度がそんな高くないようだし、がんばればいけるかな?
きちんとやれば、大丈夫です!

おしらせ
資格取得に興味があるんだけど、独学だと続かないんだよなぁ…。
通学は金銭的負担も大きいし、ちょっとなぁ…。
こんな悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか?
このような方には通信講座をオススメします!
スクールや通信講座の教材は、市販のものと比較しても勝るとも劣らない場合がほとんどです。
まあ、市販のものでも大変優れているものもあるため、この辺は好みも関係してくるでしょう。
それよりも、わからないときに質問ができることが大きな強みです。
独学あるあるですが、わからない箇所があるとドツボにはまり無駄に時間を消費することも少なくありませんからね…。
下記にオススメの通信講座を紹介するので、興味があれば利用を考えてください。
なお、経営学検定初級と中級の講座はありますが、上級の講座はないのでご留意ください。
・TAC/Wセミナー
特徴
・戦略的インプット+アウトプットで学習効果アップ!
最新の試験情報や受講生からの声も反映させながら、合理的なカリキュラムを実現させ、受講生を短期間で合格に導きます。
・あくまでも「試験に合格する」ための徹底指導!
ただ知識を提供するだけでなく、理解して定着させるためのノウハウを盛り込んだ熱い講義をお届けします。
・試験傾向を徹底分析!毎年改定!
長年の受験指導によって蓄積された、合格するためのノウハウがいたるところに反映された教材で、システマチックに能力を高めます。
TACは様々な資格の教材を出版していますし、信頼度は抜群です!

上級
つぎに上級を見ていきます。
上級は受験資格があり、1次試験が中級合格者、2次試験が上級1次試験合格者となります。
なお、上級では経営に関する高度の専門的知識と、実践的な経営能力を有しているかどうかを判定します。
そのため、経営学専攻の大学院生(MBA)レベルの専門的知識と、経営幹部として期待される実践的な経営能力が求められます。
関連度
- 関連度:★★☆☆☆
細かい説明は割愛しますが、経営学検定上級の関連度は5段階中2です。
試験範囲としては類似しているものの上級は試験形式が異なるため、関連性はあまり高くありません。
上級1次試験
経営に関するケーススタディ2問(記述式のCBT試験で、1問あたりA4用紙4枚程度)
上級2次試験
①経営課題に関するレポート作成(2週間程度で自宅で作成し、事前に提出)
②レポートのプレゼンテーション(プレゼンテーションで約10分、質疑応答で約5分)
③グループ・ディスカッション(ディスカッションで約40分)
そのため、中小企業診断士の関連資格として受験するには負荷が高くなるのでオススメできません。

レポート…プレゼン…ディスカッション…なんか試験って感じしないね
そうですね…たいていは筆記試験、あっても面接試験ですからね

難易度・勉強時間
ここでは難易度を合格率から見ていきましょう。
経営学検定上級の合格率は、おおよそ55~60%で推移しています。
補足すると、一番難易度が高いはずの上級の合格率が最も高いのには理由があります。
こちらは受験資格があり、一次試験を受験する際に経営学検定中級を3年以内に取得していることが要件とされています。
つまり、受験生の質が高く、そういった方が上級合格を目指してくるため、合格率が高くなるわけですね。
ですので、決して易しいわけではありません。
むしろ1次試験が記述式、2次試験がレポートとグループワークであることも加味すれば、難易度はやや難しいと言えるでしょう。
次に勉強時間を見ていきます。
…と言いたいところですが、こちらに関しては情報がほぼありませんでした。
次に記載する過去問3年分を2~3周回すのにかかる時間+中級の公式テキストの再確認にかかる時間が勉強時間と言えるでしょう。
人それぞれで勉強時間にかなり変動の幅が生じるでしょうから、この点はあまり参考にならないかもしれませんね…orz
勉強方法・テキスト
勉強方法ですが、これは初級と中級とはちがう意味でシンプルです。
下記の過去問3年分を2~3周回すしかないでしょう。
・経営学検定 過去問題・解答解説 上級編
(→これに関しても、㈳日本経営協会でしか入手できないと思います。)
なお、上級は公式テキストがないので、先に紹介した中級の公式テキストがベースとなります。
インプットを公式テキストで行い、アウトプットを過去問で行うというやり方が正攻法と言えるでしょう。

なんか、上級は初級・中級とはまったく違う感じだね
そうですね…グループワークもあるし、私のようなシャイボーイには少しハードルが高いですね

まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は、中小企業診断士の関連資格として経営学検定について、解説してきましたがいかがでしたか?
経営学検定の資格取得を前向きに検討している方もいるのではないでしょうか?
まとめ
- 経営学検定初級・中級は取得しやすいが、上級はやや難易度が高い
- ネット試験化による難易度の変更はない
- 経営学検定は中小企業診断士一次試験の「企業経営理論」他に関連性がある
経営学検定は「企業経営理論」を中心に、「財務会計」、「経営情報システム」、「経営法務」の勉強に少し役立ちます。
そのため、中小企業診断士試験の前に時間を費やせるならば、受験する価値はあると言えるでしょう。
特に次年度に「企業経営理論」に再チャレンジする方には、基礎固めにもいいかと思います。
しかしながら、資格価値を求める方にはあまりオススメはできません。
理由は受験者数が一番多い初級でさえも例年1,000人未満、中級は500人未満と民間資格で知れた商工会議所と比較するとかなり少ないからです。
つまり、自己啓発であればいいのですが、社会的に知られた資格でないため、アピール用の資格としては弱いのです。
そのため、少しでも資格価値があるものが欲しいという方は、商工会議所の試験であるビジネスマネジャーの方がいいかもしれませんね。
ビジネスマネジャーが気になる方は、こちらの記事もご覧いただければと思います。
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資格価値うんぬんを抜きにして、経営学をしっかり学びたいなら経営学検定の方をオススメします!


なるほど!それじゃ、僕は経営学検定の中級を受けてみるよ!
今回は以上です。ありがとうございました。