どうも、悩める診断士のTKです
本日はこんな悩みにお答えします
販売士の資格に興味があるんだけど…
- 販売士の資格取得って難しいの?
- ネット試験になったらしいけど、難易度はかわったの?
- 中小企業診断士との関連度は?
- 中小企業診断士とのダブルライセンスって意味ある?
同じような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
小売業出身の方には、根強い人気のリテールマーケティング検定(旧称:販売士検定)。
中小企業診断士一次試験の試験科目である「運営管理」と出題範囲が類似していることから、中小企業診断士にも人気の資格です。
- 本記事の内容
- 販売士検定(リテールマーケティング検定)とは?(概要)
- ネット試験(CBT試験)に関する補足
- 中小企業診断士(運営管理)との関連度
- 各級の難易度・勉強時間、勉強方法・テキスト
- 診断士×販売士のダブルライセンスのメリットとデメリット
- 本記事の信頼性
- 筆者が中小企業診断士(中小企業診断士登録証の画像はこの記事に掲載)
- 筆者が販売士1級、2級、3級を保有
先に結論を書いておくと、販売士の資格は中小企業診断士試験と関連性が高いです。
また、現在はネット試験化により、取得しやすくなったので、中小企業診断士の勉強を始めようという方にもオススメです。
このような方は、最後までじっくりと読んでみてください。
それでは、早速はじめていきます。
目次
販売士検定(リテールマーケティング検定)とは?(概要)
ここでは販売士検定の概要を見ていきます。
販売士検定とは、商工会議所の検定試験です。
「流通・小売業界で必須の定番資格」として、社会的にも高い信頼と評価を得ていると言われています。
商工会議所が定義する販売士とは、一言で言えば「販売のプロ」。
そのため、試験の内容としては、販売に必要な商品知識や販売技術、仕入や在庫管理、マーケティングなど、より高度で専門的な知識を持つ人材の育成を目指した内容となっており、下記の5つを試験科目としています。
- 小売業の類型
- マーチャンダイジング
- ストアオペレーション
- マーケティング
- 販売・経営管理
なお、各級の試験時間や合格基準、試験方法、試験日時などの詳細が気になる方は、公式ページをご参照ください。
中小企業診断士とのダブルライセンスを狙うならば、販売士1級の取得を目指したいところですね
ネット試験(CBT試験)に関する補足
2021年7月から変更したばかりということもあり、私が受験した2021年8月ごろは、販売士に関するネット試験の情報がまったく載っていませんでした。
そのため、ここで販売士のネット試験に関しても補足しておきたいと思います。
ネット試験とは、各地にある試験会場(テストセンター)のパソコンを使用し、インターネットを介して行う試験です。
販売士ではCBT試験を採用してますね。
情報が開示されていませんが、試験問題は何通りもしくは何十通りかのパターンが用意されており、その中からランダムで出題されてると考えていいと思います。
そして、ランダムではあるものの一度受けたものと同じものが出ないように調整されていると考えて間違いないかと…。
また、難易度にバラつきが出ないように調整はしているとのことですが、やはり問題により得意・不得意は生じてしまうので、この点はデメリットと言えるでしょう。
自分の苦手な問題がでたら嫌だなぁ…
メリット・デメリット
デメリットという言葉が出てきたので、ここでネット試験のメリットとデメリットを簡単に紹介しておきます。
まずはメリットから。
≪メリット≫
- 会場が多く、最寄りの会場を選べる
- 随時開催されているため、受けたいときに試験を受けられる
- 受験日の3日前までであれば何回でも日程の変更が可能
- 不合格でも最短で3日後に試験を受けられるため、短期間での合格が狙える
- 合否が即時にわかるので、自己採点や合否待ちのモヤモヤがない(科目合格は例外)
次にデメリットですね。
≪デメリット≫
- 試験問題がランダムに変わるので、自分の苦手な範囲に遭遇することがある
- 操作はいたってシンプルだが、パソコン操作が極端に苦手な人にはストレスかも…
いかがでしょうか?
ネット試験のデメリットよりも、メリットの方が大きいと思いませんか?
従来制度で見たときに販売士の取得をあきらめていたという方もいるのではないでしょうか?
そういった方は、ネット試験を機に、あらためて取得を考えてみてもいいと思います。
ネット試験になり、かなり便利になったと言えますね
難易度は変わった?
ところで…ネット試験化になって難易度は変わったの?
気になる方も多いと思うので、ここで難易度に関しても言及しておきます。
まず、2級と3級ですね。
これらはネット試験でも選択式となるので、従来のマークシート式と大差なく、難易度は従来と変わっていないと言えるでしょう。
次に、1級を見てみます。
1級は選択式10問と穴埋記述式10問という構成であり、従来の記述式の要素が残っています。
しかし、実際に受験してわかったのは、従来のように説明を求められるものはなく、キーワードや数値が穴埋めの対象となっていたこと。
イメージとしては、選択式問題で空欄になっている箇所を自分で埋めていくといった感じですね。
なので、キーワードを覚える量は多くなったものの、従来の記述式対策のような負荷はなくなったということですね。
ある程度ポイントを絞って暗記すれば対応できるため、個人的には従来よりもやや易しくなったという印象です。
とはいえ、1科目7割以上取得する必要がある点は難易度アップ要素だし、穴埋記述式は自分で答えを入力するため、覚えてないと当然何も書けません。
1級に関しては、ネット試験になったとはいえ、しっかりと勉強しないと合格するのは難しいと言えるでしょう。
ネット試験のメリットも考えれば、販売士資格は取得しやすくなったと言えますよ
中小企業診断士(運営管理)との関連度、難易度・勉強時間、勉強方法・テキスト
ここからは、販売士の各級と中小企業診断士試験との関連度を見ていきましょう。
よく言われるように販売士の内容は中小企業診断士一次試験の「運営管理」に類似した部分があります。
具体的に言うと、「運営管理」は「生産管理」と「店舗・販売管理」に分かれますが、特に「店舗・販売管理」と共通する部分が多くなっています。
その他、ごく一部ですが、「企業経営理論」、「財務会計」、「経営法務」、「中小企業経営・政策」に通ずるものもあります。
なお、テキストに関して、先に記載しておきますがハンドブックは不要です。
特に販売士1級のテキストを調べると、どこのサイトにもハンドブックが必要との記載がありますが、正直オススメいたしません
オススメできない理由は下記2点。
- 単調な作りでページ数が多く、読んでいて面白くないし、重要な点がわかりにくい
一ツ橋書店の「リテールマーケティング(販売士)検定問題集」TAC出版の「スイスイうかる販売士(リテールマーケティング)問題集」でほぼカバーできるから
筆者は1~3級を受験する際に、一ツ橋書店のテキストを使って合格しました。
こちらは絶版で入手困難でしたが、同じ著者がTac出版よりネット試験に対応したテキストをだしているので、これから勉強する方はコレがあれば大丈夫です!
なお、1級受験の際にハンドブックも買ったのですが、5冊中2冊(現在は上下巻)の内容を見て、捨てました(笑?)
いや、もったいない…正直、お金の無駄でしたね…orz
販売士試験は各級の「スイスイうかる販売士(リテールマーケティング)問題集」一択で大丈夫です!
前置きが長くなってしまいましたが、ここからは各級の関連度等を見ていきます。
販売士3級
まずは、販売士3級を見ていきます。
なお、販売士の3級では、「売場の販売員」のレベルを想定しており、販売員として最も重要な接客マナーや販売技術といった接客業務に関する知識の習得を目的としています。
関連度
- 関連度:★★★☆☆
- 小売業の類型:△~〇
- マーチャンダイジング:〇~◎
- ストアオペレーション:△~〇
- マーケティング:〇~◎
- 販売・経営管理:△~〇
細かく説明するとキリがないので割愛しますが、3級の関連度は5段階中3です。
中小企業診断士一次試験と関連するものもそれなりにありますが、関連が薄いものも少なくないです。
中小企業診断士試験の前に時間を費やせるならば、受験する価値はあります。
しかし、中小企業診断士一次試験勉強中であれば、そちらを優先した方が良いです。
また、二次試験の再受験までの繋ぎとして受けようとしている方には、関連性が薄いといえるので、あまりオススメできません。
難易度・勉強時間
販売士3級の合格率は、おおよそ55~65%で推移しています。
内容も基本的ものが多いことから、きちんと勉強すれば取得難易度は易しめと言えるでしょう。
次に勉強時間ですが、目安は「30時間」と言われることが多いです。
確かに試験合格のためであれば、この時間でも合格はできます。
ただ、私もそうでしたが、中小企業診断士の前段階で販売士の取得を考える人もいるかと思います。
そういった方でしっかり勉強したい方は、「50時間」を目安として考えておけば十分ですね。
勉強方法・テキスト
これはいたってシンプルです。
先ほどご紹介した、TAC出版の3級用テキストを2~3周するだけでOKですね。
・スイスイうかる販売士(リテールマーケティング)3級問題集 part1
・スイスイうかる販売士(リテールマーケティング)3級問題集 part2
販売士3級なら、僕でも合格できそうだなっ♪
販売士2級
次に販売士2級を見ていきます。
なお、販売士の2級では、「売場の管理者クラス」のレベルを想定しており、店舗管理に不可欠な従業員の育成や指導、仕入や在庫の管理といった知識の習得を目的としています。
関連度
- 関連度:★★★★☆
- 小売業の類型:△~〇
- マーチャンダイジング:〇~◎
- ストアオペレーション:△~〇
- マーケティング:〇~◎
- 販売・経営管理:〇~◎
こちらも細かい説明をするとキリがないので割愛しますが、2級の関連度は5段階中4です。
3級よりも販売・経営管理の内容が、中小企業診断士一次試験に類似しており、全体的に関連するものが多くなっています。
3級と同様ですが、中小企業診断士試験の前に時間を費やせるならば、受験する価値はあります。
しかし、中小企業診断士一次試験勉強中であれば、そちらを優先しましょう。
また、二次試験の再受験までの繋ぎとして受けようとしている方は、こちらも関連性は薄いので、過去問等に時間をかけたほうが良いです。
難易度・勉強時間
まずは難易度を合格率から見ていきます。
販売士2級の合格率は、おおよそ50~60%で推移しています。
3級よりは難しくなるものの、覚える内容も多くなりますが、きちんと勉強すれば取得難易度はやや易しめ~普通と言えるでしょう。
次に勉強時間ですが、目安は「60時間」と言われることが多いです。
3級と同様に試験合格のためであれば、この時間でも合格はできます。
ただ、3級よりも当然に専門性も高く、知らない用語も多く出てきます。
しっかりと勉強をしたいと考える人は、「100時間」程度を目安に考えば十分でしょう。
勉強方法・テキスト
こちらもいたってシンプルです。
3級と同じで先ほどご紹介した、TAC出の2級用テキストを2~3周するだけでOKです。
・スイスイうかる販売士(リテールマーケティング)2級問題集 part1
・スイスイうかる販売士(リテールマーケティング)2級問題集 part2
販売士2級も合格できそうな気がするぞー♪
販売士1級
次に販売士1級をみていきましょう。
なお、販売士の1級では、「店長や経営者クラス」のレベルを想定しており、トップマネジメント全般に関する商品計画や商品予算の策定、マーケティング政策の立案、人事・労務・財務管理といった知識の習得を目的としています。
関連度
- 関連度:★★☆☆☆
- 小売業の類型:△~〇
- マーチャンダイジング:〇
- ストアオペレーション:△~〇
- マーケティング:〇
- 販売・経営管理:△~〇
例のごとく、細かい説明は割愛します(笑)
中小企業診断士試験との関連度としては、1級の関連度は5段階中2ですが、中小企業診断士としては知っておいて損はない知識が多くあります。
こちらは取得するのにそれなりの労力を要するので、中小企業診断士一次試験勉強中であれば、そちらを優先しましょう。
また、二次試験の再受験までの繋ぎとして受けるという方が多いようですが、ネット試験化により長文記述はなくなりました。
そもそも従来制度でも二次試験と関連性が高いとは言えないうえに、現行制度ではより関連性が低くなっているので、それなりの負荷もかかることも考えると、二次試験の過去問等に時間をかける方が賢明でしょう。
難易度・勉強時間
まずは難易度を合格率から見ていきましょう。
販売士1級の合格率は、おおよそ20%で推移しています。
1級は難易度が飛躍的にアップし、応用的な内容が多くなるので、きちんと勉強しないと合格は難しいでしょう。
そのため、取得難易度はやや高いと言えます。
次に勉強時間ですが、目安は「100時間」と言われることが多いです。
先ほどまでの流れなら、「この時間でも合格できます!」って言いたいとこなのですが、1級に関しては何とも言えません…。
というのも、1級はテキストの量もなかなかにあり、一通り勉強するだけでも時間がかかりますし、内容もそれなりに難しいからです。
参考までに筆者は「中小企業診断士」取得後に、販売士1級を勉強しましたが「180時間」程度の時間を費やしました。
ただ、これは「ネット試験化に変更するタイミングで記述式問題の傾向が掴めていなかったこと」、また「少し勉強の期間が空いてしまったこと」も時間を要した原因として挙げられます。
※記述式の傾向は「新試験方式「ネット試験(CBT試験)」に関する補足」の「難易度」で記載したとおりです。
そのうえで、しっかり勉強をしたいという方は、まずは「150時間」程度がひとつの目安となると思います。
勉強の進みや基礎知識の差で大きく変わるため、200~300時間かかるという人も普通にいるかと思います
資格保有者でない方の記事で「100時間以上」とされることが多いですが…
100時間程度では厳しいと??
5科目全部を対象として1回で合格したいという場合には、なかなかに厳しいかもしれません
…あぁー、なるほど。。。つまり1科目ずつとか対象を絞って受ければ、100時間程度でも合格を狙えると?
鋭いですね…販売士1級には科目合格制度があるので、お金と時間をかけられるならばそのやり方もありかと
たしかに…別の科目やっている間に前にやった科目の内容もけっこう忘れちゃうしね…
勉強方法・テキスト
ここは2級・3級と同じでシンプルです。
下記に紹介するTAC出版の下記テキストを3周程度回すだけでOKです。
・スイスイうかる販売士(リテールマーケティング)1級問題集 part1〈小売業の類型〉
・スイスイうかる販売士(リテールマーケティング)1級問題集 Part 2〈マーチャンダイジング〉
・スイスイうかる販売士(リテールマーケティング)1級問題集 Part 3 〈ストアオペレーション〉
・スイスイうかる販売士(リテールマーケティング)1級問題集 Part 4〈マーケティング〉
・スイスイうかる販売士(リテールマーケティング)1級問題集 Part 5〈販売・経営管理〉
1級に関しては、勉強方法に少し補足をしておきます。
基本的なやり方は変わらないのですが、下記の点を留意してください。
穴埋記述式を意識して、しっかり暗記すること
2級と3級は選択式のため、なんとなく覚えていれば何とかなってしまう部分もあります。
しかしながら、1級はそれだと合格できません。
なぜなら、各科目70点以上であることが合格の条件だから。
つまり、ある科目で選択式10問が全問正解だとしても、穴埋記述式を10問中4問以上正解する必要があるのです。
従来の試験もそうですが、1級が難しいといわれるのは依然としてこの記述式の問題が残っているからですね。
1級取得を目指す方は、しっかり勉強して合格を勝ち取ってください!
んん-…さすがに販売士1級は難しそうだなぁ…
ネット試験でやや易しくはなったといっても、1級は簡単ではないですよ!
診断士×販売士のダブルライセンスのメリットとデメリット
最後に中小企業診断士と販売士のダブルライセンスに関して、説明していきます。
メリット
メリットとしては、主に下記の3点があります。
①流通・小売業界の専門性を深めることができる
流通・小売業界の知識に関して、中小企業診断士試験よりも深く学べるため、専門性をを身につけることが可能です。
専門性を身につけることで、他の中小企業診断士との差別化も図れますね。
②仕事の幅を広げられる
販売士1級の合格者は、諸条件をクリアすれば講師として登録することができ、販売士の講義を開催することもできます。
この講義を通してのつながりと専門性を活用することにより、新たな仕事につなげることが可能です。
③経営コンサルティングの知識を補完できる
市場分析や商業関係の知識を深く学ぶことができるため、経営診断の際の商圏調査など、より多角的に考える視点が養えます。
デメリット
デメリットに関しては、特にありません。
あえて言うならば、資格取得に時間とコストがかかることですかね。
これは、販売士に限らずですが、資格の取得にはそれなりの時間とコストがかかります。
人によっては、その時間とコストをかけるのであれば、別のことをやった方が良いと考える人もいるでしょう。
あと、これをデメリットと言っていいのか微妙ですが、販売士は知識のブラッシュアップをするために、資格の更新が必要とあります。
資格の有効期限は5年間であり、更新するためには「資格更新講習会」または「資格更新通信教育講座」を受ける必要があるのです。
いずれの級も講習は1日で終了し、講習時間は3時間ほどですが、お金と時間がかかることは覚えていた方がいいかと。
今後、中小企業診断士の資格を有効活用するのに、販売士資格が役に立ちそうと思った方は、受けてみることをオススメします。
中小企業の数は流通・小売業が圧倒的に多いので、個人的には取得をオススメします!
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は、中小企業診断士の関連資格である販売士について、解説してきましたがいかがでしたか?
販売士の資格取得を前向きに検討している方もいるのではないでしょうか?
販売士1級は専門性を高められるだけでなく、他の中小企業診断士との差別化にもつながります。
受験を考えている人は、ネット試験化により、やや易化している間に取得することをオススメします。
…まさか、あとあと難化したりしないよね?
んー…考えにくいですが、ありえない話ではないですね
かなしいかな、いつの時代も得点や難易度の調整はつきものです…。
といっても合格率の推移が旧試験と変わらないことから、科目合格点7割の壁が受験者を阻んでいるのも事実なので、このままの難易度で行く可能性は高いかと。
しかし、仮に難化したとても、しっかり勉強すれば絶対に合格できます!
また、中小企業診断士の方が間違いなく難しいので、すでに診断士の資格をお持ちの方は心配ご無用です!
よーし、僕もいっちょ頑張るぞ!!
目標は高く、1級取得を目指して頑張ってください!
本記事が「中小企業診断士×販売士」のダブルライセンスを目指すきっかけになれば幸いです。
今回は以上です。ありがとうございました。